地面からあたまを出すとかたくなる

夜中近く、寝る時間になったので歯を磨いて布団の敷いてある部屋に入ると、先に入っていた妻が暗いままの部屋の布団の上で赤ん坊に顔を近づけてなにかをしている。近づいてみると妻はぐっすり寝ている赤ん坊の閉じた唇を自分の人差し指でこじ開けながら赤ん坊の口の中を触っていて、それが面白いようで小さい声で笑っている。実の母親の指とはいえ、口の中に指を突っ込まれるのは不快なようで、赤ん坊は眠りながらも体をよじって抵抗するのだけれど、それでも妻はやめることなく吐き出された指で再び唇をこじ開けて、下の歯ぐきのあたりを執拗に触りながらクスクスと笑うのをやめようとしない。