事故(パソコン)

武田百合子の『富士日記』に、車を運転していて事故に遭いそうになる場面があった。武田は「それが自分の所為でなく、どうしようもないものだったから、それで死んでも仕方なかった。そういう人生だった。が、今回は運良く事故にならなかった」みたいなことを書いていて、その考えは潔いなと感心したことがあった。
さっき、知人の紹介でパソコンを新しく買い替えることになった。僕が高性能のデジカメが買えるくらいのお金を出すと、性能が上がったパソコンが手元に残る。今使っているものは必要な人がそのまま使う。普通に買うよりもずいぶん安く買えるのはありがたい話だ。しかし、果たして本当にその買い替えが僕にとって必要なことなのかは疑問を感じざるを得ない。
でもこれは事故なのだから、仕方がないことだ。そう思うことにした。ましてやこれは死ぬこともない事故だ。