ダニと花火

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朝、縁側で目が覚めると体中が痒くて、みると赤い大きな虫さされが体中いろいろなところにある。ダニ。定期的に換気や掃除をしてもらってたものの、人の住んでいなかったその家は、ダニやゴキブリたちにとってはパラダイスだったかもしれない。4人が4人とも体をボリボリかいている。
夜、親戚が集まり家で食事。食事をしながら終戦後すぐの頃の話をたくさん聞く。たくさん聞くのだけれど半分くらいはなに言ってるのか判らない。半分くらい判らないのだけれど、そのエピソードのひとつひとつが非常に興味深い。以前「僕らはその人たちがいなくなる前にきちんと聞き取らなければならないし、それは義務みたいなもんかもしれないな」ということを誰かが言っていたけれど、その言葉を思い出すのはいつも〈あとになって〉からのこと。
夜、庭で花火をして遊ぶ。やるのも見るのもこれが今年はじめての花火。最後の線香花火が終わったあとの「さ〜て」という感じがひさしぶりで、あぁそうだったと思い出す。家に入って風呂に入って、自分は今日も縁側で寝る。