遠くの目印

朝、起床。風呂に入ってさっぱりしてから二度寝する。
昼、昼食にサラダとパン。仕事に出て行く妻を見送ってから、部屋に掃除機をかけたあと、たまたま見ていたテレビで見かけた笑福亭松之助がとにかくかっこよく思えて、極端なことをいえば「ああなりたい」と思えるほどで、調べてみると1925年生まれの今年82歳、上方落語界の最年長だという。自分が今の彼の年齢に追いつくまでにはあと50年以上あるけれど、どうだろうか。
夕方、庭に出て草取り。植え込みの中の大きな雑草を引っこ抜いてから、家の入口から玄関までの砂利の通路にぽつぽつと生えている小さな草をひっくり返したバケツに座りながらちくちくと抜いていく。細かい砂利の中から頭を出している雑草は根の張りが弱いので軽い力で根っこから抜けるのでそういう意味では楽なのだけれど、邪魔な砂利をどかしながらの作業が非常に地味で進行速度も遅いため、今まではなんとなく砂利部分の作業を敬遠しがちがったのに、今日は集中してその作業にあたれたのは、おそらくこのあいだ実家に帰った時に母親に教わった草取りのための小さな椅子(今日はバケツ)による姿勢のおかげではないかと思う。庭にすっかり腰を下ろして草取りをしていると、近所の家の小さな子供がその家のおばあちゃんと前の道で遊んでいる声が聞こえてくる。
日が暮れ始めるまで2時間ほど作業を続けたところで雨がぽつぽつ降りはじめたので今日の作業は終了とする。不定期だけれど続いているというか続けざるを得ない庭の草取りも庭木の剪定も、結局は現状の維持というかこれまであったもの延長でしかなくて、こちらから仕掛けるというか意図して変化をつけるというか、そういうようなことを庭に対してまだなんにも出来ていないのだけれど、それでも「きれいになる」というのはそれだけで気持ちがいいし、庭に対する「攻め」の部分は残りの50年のうちに出来るようになれば十分で、必要になれば自然とそうなるし、またならざるを得ないものだと思っているので、もうしばらくはこの調子で適当にやっていくことにする。