マネっ子上等

人と同じ服を着て、人と同じ書き物を読み、人と同じ趣味に興じる。こう書くとなんだか消極的で後ろ向きに思えてしまうし、自分はそうじゃないと反論したくなるのは正常な反応だろうが、現実はほんとにそのまま。最近の自分で買ったものなどを思い返してみると、どれも誰かが使っているのを見たり話しているのを聞いたりして知ったものばかり。へぇすごい、と自分で思うくらいそればかりだ。
それがイヤということではなくて、むしろウレシイというか有り難いというか、これはこれで、いいなぁと思う。何かを選ぼうとした時に、一番信用出来るのはおそらく自分の直接体験だと思うが、それが出来ないのであれば次に信用出来るのは身近な他人ということになるから、「人の言葉を信用してモノを買う」というのは当然といえば当然の話だ。
面白いと思ったのは、誰も僕にそれらのモノを勧めていない、ということで、場合によっては僕は人がいいと言っていたものを自分から探して買いに行っている。モノがいいということより先に、それをいいと言った人がいるということだろうか。
そうやって初めて知ることや初めて見る世界がたくさんあるし、それをとても有り難いことだと思う。マネっ子上等。