俄然勢いをます回転運動

川を見ただけで部屋に帰るのもつまらないので、途中下車して渋谷の東急ハンズルービックキューブを見に行く。毎晩遊んでいる3×3のバッタもんは、200円という値段にしたら驚異的なコストパフォーマンスでこの部屋に回転ブームをもたらし、いまだ大活躍してくれているものの、その作りの粗さからいろいろなところが壊れてきていて、一日に一度は回転中にキューブが飛び出す。一度キューブが飛び出してしまったものを何も考えずにはめてしまうと場合によっては永遠に6面揃わない3×3になってしまうため、いったん全部壊して6面を揃えながら再び組み立てていかなければならず、一昨日あたりからその手間がいよいよイヤになってきていた。ホビー売り場では見当たらず、聞いてみたらパーティーグッズ売り場にあるとのこと。そんなもんかと思って階段を降りる。実物を見るまでルービックキューブの真正品はツクダオリジナルのものだと思っていたが、現在はパルボックスという会社の登録商標となっているのが気になった。ルービック氏公認のルービックキューブは2,079円(税込)。部屋にあるバッタもんの実に10倍だけれども、きっとそれだけの価値はある、はず。ということで購入。ちょっとウキウキする。
ハンズをウロウロしているところで友達から連絡があり、近所に戻って夕方から焼き肉とビール。腹一杯食べて、外に出てもまだ明るい。まだ明るい商店街で赤ら顔。駅の向こう側の新しくできたダイナーみたいなところに入り、更にビール。
喋っていてふとカバンの中を見たら携帯電話にド着信あり。留守電まで入っていて驚く。何事かと思い慌てて折り返してみたところ、思わぬご褒美をいただくことになる。免許とっといてよかった。川沿いの教習所に行っといてよかった。あと、遅めに生まれといてよかった。とんだラッキー。それはもう「おごってあげるよ」と、言いたい。一段ぬかしで地下の店に戻る。
ビールに続いてコーヒーを飲み、店を出る。すっかり夜になった商店街でルービックキューブの箱を開けてみる。歩きながら試しに回転させてみると、驚くべき滑らかさで回る。そして軽い。可動域も格段に拡い。夜の商店街を赤ら顔で歩きながら「これは〜!」となる。そしてこの真正品の獲得によりこの部屋の回転熱がますます加熱していくことを確信する。