アマゾンから

先日、とあるCDをAmazonで買い求めた。
して早速今日、その荷物が届けられていたことを部屋のドアに挟まっていた〈ご不在連絡票〉で知ったのだけれど、その伝票に「Amazon様からのお荷物をお届けにお伺いしましたが…」と書いてあるのを見て思わずハッとする。
少し前、友達に教えてもらって心理テストをやったところ「僕の心の中で今大きな位置を占めるのは『アマゾン』である」という結果が出て、そのあまりの唐突さに自分で驚いてしまった。その時僕が頭に思い描いたのは、南米大陸を流れる世界最大の川とその流域のことで、そんなよく知りもしない「アマゾン」なるものにいつの間にか心を支配されていながら、僕自身がそのことに対してまったく無自覚でいたということがすごく面白く、おかげでそれ以来、たまにその「未だ見知らぬアマゾン」についてなんとなく考えるようにもなったりしているのだけれど、いくら考えてみても僕の中のアマゾンは曖昧なイメージでしか見えてこない。なんせ知らない。よく分からない。ふと「100万羽のフラミンゴが一斉に飛び立つとき暗くなる空」のフレーズが頭に浮んだが、考えてみたらこれはアマゾンではなくアフリカだった。アマゾンはとにかくおぼろ。一番のくせに。
それで今日、届いていた伝票を見て今さらながら気づいたことは「この世界規模のオンラインブックストアもそういえばアマゾンで、むしろこっちのほうが今の僕とってはずいぶん身近なものではないか。この間まで使ったことなかったけど」ということで、でもちょっと考えたら、やっぱり「よくわからない地球の反対側のでかい川らへん」のほうがなんとなく面白そう。
荷物は明日再度届けてもらうとして、とりあえず今日のこの気づきについては「無し無し」と、誰にするでもない弁解をひとりでする。