ひさしぶり10年ぶり20年ぶり

昼前、起床。ひさしぶりに起きたあとでも憶えていられる夢を見る。
午後、外出。表参道へ。おもちゃ展の会場で座り込み、何十個もある匙屋さんの作った木っ端のミニカーをひとつひとつしげしげと見る。いくつか気に入ったカーを見つける。その後近くにある家具屋へ寄る。いつも近くを通ればその店をのぞきテーブルを見ては帰っていたが、今日は椅子に座らせてもらってそのテーブルをしげしげと見る。やっぱりこれがいいなと思うものの今の部屋にこんなものを置く余裕はない。
夜、移動。春日部へ。高校の部活の同輩らとひさしぶりに再会。一番長い人とは高校卒業以来の再会であるので、だいたい10年ぶりということになる。僕以外のメンバーは比較的頻繁に顔を合わせていたようで、会話の中で普通に出てくる単語や人の名前にいちいちつまずく。わからないものはそのまま聞き流してもよかったのかもしれないけれど、今日はいちいち「それは何?」「それは誰?」と聞いてみる。聞かれた人はその度に話を止めて教えてくれたけれど、聞いたところであんまり詳しいことはわからない。わからないけれど、そのちょっとしたことで聞いている会話がぐっとわかったような気になるから聞いてよかったと思う。終電目前で解散。
終電で実家方面へ向かう。最寄りの駅に着いてから待つこと40分、ようやく来たタクシーに乗って深夜に帰宅。実家に帰ると、これまでずっと離れで寝起きしていたはずの両親がこの頃は居間の隣の仏間で寝ているようで、その暗い仏間から父親のいびきが聞こえてくる。居間に敷かれた布団に入りながら、障子一枚隔てた向こう側とはいえ、これほど近くに親の気配を感じながら寝るというのが、いつ以来のことであるのかははっきり思い出せないが、20年ぶりといっても嘘にはならないくらいひさしぶりのことで、これは珍しいことだと思いつつ、いびきの響きわたる中でもすぅっと眠りにつくことが出来たのは、さっき飲んだお酒のせい。