「八谷和彦─OpenSky 2.0」展 NTTインターコミュニケーション・センター

http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2006/OpenSky/index_j.html
実物というのはやはり目の前にするとなにか感じるというか「あぁ」と思うことがある。それでもそれがモニターやスクリーンで流れる映像の中で飛んでいるものと同じものであるということをきちんと理解しようとすると意外と難しい。「きちんと」というのがどういうことなのか、それをきちんと書くのがまた難しいのだけれど、たとえば「目の前にあるその機体が去年のある日にある場所で、いろいろな人の見守る中、地上十数メートルの空中を飛んでいて、それに誰かが乗っていて、ガコンと音がしたのかは知らないけれど着陸したその草っぱらやアスファルトを走り続けたずっと先にこの会場があって、それを今自分が見ているということをどれだけリアリティを持って認識できるか」ということだったりするのじゃないかと思うのだけれど、会場内を見渡せる展望台から会場を見に来る人や並んでいる機体や立っているスタッフの人たちをぼんやり眺めながら、そういう時間とか空間を無視したところにあるリアリティみたいなことをなんとなく考えはじめてみたりするのも、きっとその実物のせいなのだと思う。
映像の中で流れていた八谷氏本人の子供と仕事と大人に関する発言がとても印象的で、帰り道になんとなく思い出したりする。