三十路

朝、駅までバスに乗っている途中で「おめでとう」と言われたあとに浮かんできたのは意外にも親に対する感謝のあれだったりしたのだけれど、それがあまりにも自然で、けれどもそういうあれ自体今まで一度も考えたことなんかなかったんじゃないかと思えるほど自分にとっては唐突なものだったので、そういうあれを自然に生み出し受け入れる自分に対して自分自身で驚きながら「でももうそういうものなのかもしれないな」ととらえどころのない自分の中の曖昧な変化にあらためて気がついてみたりする。