花見と匙見と眼鏡見

千本桜

朝、起床。パンと手作りゼリーとヨーグルト食。妻とふたりで外出。
近所の川沿いにずっと続く桜の並木とそこに集まる花見客を眺めながら隣の駅まで歩いて向かう。あいにくの曇天なれど桜の下は花見の客でいっぱいで、橋の上に出ている露店や店先にテーブルを出して商売をしている川沿いの和菓子屋の前に人がたくさん並んでいる。川に面して特設のステージも出来ていて、中学生くらいの女の子のキーボードの生演奏でコブクロの曲が流れている。ステージはもともと広い場所ではない川べりの水際ぎりぎりにつくられているので、観客は川をはさんだ反対岸からステージを正面に見る趣向になっていて、大人が助走をつけてジャンプすれば飛び越えられそうな川の両側に客席とステージがうまいこと出来ているのがなんだか妙で面白い。並木の下を歩く人、カメラを構えて立ち止まる人、地べたにシートを敷いて座る人、テーブルを出してきて料理やお酒をひろげる人、注文を受けているピザ屋の店員、その間を走り抜けていく子供、桜の下でいろいろな人がいろいろなことをしていて、そのあちこちから油の焼ける匂いがする。
駅から電車に乗って仕事に出かけていく妻と途中で別れてひとりで学芸大学へ。駅を降りてから目的地のギャラリーの場所をよく覚えていなかったことに気がついたのだけれど、何年か前に来た時の感覚を思い出しながら歩いたら、少し遠回りしただけ道を曲がったところでギャラリーが見つかる。と同時に入口に立っていたさかいさんもこちらを見つけたようで向こうからドアを開けて迎えてくれたので入って挨拶。店内を冷やかしながらちょこちょこおしゃべり。仏のような人。前に見たお盆が欲しいのと無理を言い、いつか作ってもらうことにして、年末に赤ちゃんが産まれたあの方へのお祝いを包んでもらって挨拶をして店を出る。碑文谷公園を通って駅前まで戻り、御門屋でカリントウを買ってから電車で帰る。帰りの電車では超熟睡してしまい終点について起きてもまだだるいまま、バスで帰宅。
夜、雨が本格的に降り始めている。車で外出して、市役所の近くのショッピングモールへ出掛けて行って、スポーツ用品売り場で度入りの水中眼鏡を見つけて購入。そのままプールに行こうと思っていたのだけれど、考えてみたら閉館時間までもうあまり時間もないしだるいので今日の泳ぎはあきらめて帰宅する。