継承と変奏とハイテンション

早朝、布団の中で目を覚ました赤ん坊が顔の前で両方の手を合わせて触っている。どうやら赤ん坊は「手」というものを発見したらしい。彼女にはそれが「手」という認識はないのだろうけれども。
朝、起床してひとりで外出。バスと電車で都心へ向かい、昼過ぎに上野駅の改札前で友達と合流してから国立博物館の「大琳派展」へ。いくら図録で見ていたものでもガラス越しとは言え実物を見るとまた違うことを考えたり気づいたりするもので面白い。初めてみた鈴木其一という人の「夏秋渓流図屏風」からにじみ出てくる狂った感じも面白い。飛ばし飛ばしでも観終わるまでに2時間くらい、ムンムンの会場を出たあとの外の空気がすがすがしい。
夕方、上野で遅めの昼食をとってから電車で移動して下北沢へ。南口の商店街でまた別の友達(薬を飲んだばかりで妙にテンションが高い)と合流して三人で喫茶店へ。女の子と実体経済と借金と理想と貧乏とものづくりの話。ハイテンションになんやかんやと文句を言われながらうんうんと聞く。
夜、飲み会に出掛けていくというハイテンションと別れて再びもとの二人に戻って、北口のお好み焼き屋。お好み焼きを食べながら赤ん坊と病気と食べ物とやる気の話。三人でまた近いうちに集まることを決めたりする。満腹で店を出てから駅までの帰り道、夜の寒さのせいでなのか友達が急にもよおして学習塾でトイレを拝借、その後落ち着くまで駅前の喫茶店に入ってホットココアを飲みながらまた少し話して、友達のおなかの具合が落ち着いたところで別れて帰る。