新郎新婦の笑顔の奥の阿修羅

夕方から八重洲で友達の結婚式に参加。教会でのお式では普段なかなか馴染みのない「神」という存在がどんどん出てきて、これにはどうにも違和感を感じてしまうのだけれど、あとで聞いたら新郎新婦も似たようなことを言っていたので救われる。今日の牧師(か神父)はやたらとサービス精神旺盛な人で、ちょっと面白かったので救われる。誓いのキスを二回させる牧師(か神父)を初めて見る。昨年お世話になった友達のご両親にもお会いできて救われる。結局自分を救ってくれるのは「人」じゃないかと思う。
式のあとの写真撮影を見学させてもらい、その後控室で待ってるところで新郎新婦に呼び出しを受け、新郎新婦の控室で軽くヤキを入れられる。ヤキというか説教というか駄目出しというか後押しというか応援というか檄というか、とにかくありがたいやつで、呼びに来てくれた係の人は「体育館裏じゃないので大丈夫ですよ」と言っていたけれど、僕はその時、係の人曰く「大丈夫」なはずの新郎新婦控室で、幸せそうなふたりの笑顔の奥に鋭く光るなにかを見た。確かに見た。ありがとうございます。
式場から移動して中国料理のコースをご馳走になる。円卓で食べる中国料理は生まれてはじめてかもしれず、北京ダックを食べるのは生まれてはじめてのこと。ひとんちの家族の話は面白い。ご両親の語る昔話などを聞いて楽しませてもらっていたら、いつのまにかビールで体が斑模様に赤らんでいた。朝から梨しか食べていなかったけれど、デザートが出てくる頃には満腹満足でいい気分になったあたりでお開き。新郎新婦とご家族に挨拶をして帰る。帰り道、酔っ払いが僕のスーツにキラキラするなにかをなすりつけてくるので困った。