きっと蟹サイコー

生まれてはじめて蟹を買う。すべては「大将」のおかげ。大将は僕が勝手に呼ぶことにした友達だけれど、たぶん実際にあっても大将とは呼ばない。あるとき大将に蟹のことをメイルで質問してみたらアホほど長い返事をくれて、なんにも知らない蟹素人にいろいろ教えてくれた。僕からの短い質問と大将からのアホ長い返信の繰り返しのあと、結局大将にお願いしてしまうのがいちばん楽で間違いもなさそうだったので、メイルでその旨を伝えた。
ということで蟹についてのはじめてのおつかいは、部屋から一歩も出ることなく、メイルのやりとりで出来てしまった。ゆえに道に迷うこともなく、犬を怖がることもなく、いらないお菓子を買ってしまうこともなく、ダダをこねる兄弟をなだめることもなかった。そういう意味での物足りなさはあるものの、なんといってもラクチンだったからあり難い。
蟹は年末に届く。日本列島を縦断して届く大将の蟹はサイコーにうまいに違いない。