黴という装置

朝起きて、出掛ける仕度をしている時に、朝晩の着替え以外にはほとんど使っていない下の畳の部屋の奥の方の畳の上をうっすらぼんやりとうすく積もったほこりのようなカビが生えているのをみつける。四角い部屋の中でも普段から歩いている部屋の入り口やそこから奥の押し入れまでの直線上にはカビは生えていなくて、部屋の奥やかどっこや座卓の下のようなほとんど踏まれていないところにばかり生えている。生活動線をトレースする黴という装置、でもそういうのは今は要らない。