サイカイ

朝、起床。布団の中から妻を見送る。朝食にヨーグルトとプリン。宅急便で新しいモデムが届く。これでようやくネットがつながる。
昼前、外出。クリーニング屋によってから電車で国立へ。昼過ぎに国立、一時間半待たせた友達に案内してもらって匙屋へ向かう。少し歩いてみつけた店の入口の外側から店の中にいるさかいさんの姿が見えて「あ」と思ったら向こうもこちらに気づいたようで、声は出さないけれども顔で「どうも〜」みたいな表情をつくってくれた。挨拶して店に入る。
去年の9月に開けたというお店は前の道に向かって大きく開いていて、通りすがりの近所の子供がちょっと店に入ってまた出て行ったりしていて、今日は外がアホほど暑いのでエアコンのかかっていない店内にいるとじっとしていても自然と汗が出てくるのだけれど、開け放たれた引き戸から店の中に風が入ってきて、それがにじみ出たその汗を冷やしていくので暑いことにはかわりないがそれでもなんだか気持ちいい。
自分はまた人にあげるための子供用の匙を買う。友達は匙の修理をお願いしていた。出してきてくれたお茶とヨーグルトをいただきながら最近のことやすこし前のことなどをぽつぽつ話したり、店の奥へのあがり口にある漆室を見せてもらったりする。店に置いてあった小さなローテーブルがとてもいい具合で気に入ってしまって今日このままもらって帰ろうかと思ったけれど今日は買わない。次にそういう機会が訪れたらその時は迷わず買うことにする。挨拶をして店を出る。駅までの帰り道は来た時と同じでやはりひどく蒸し暑いけれどそれがあまり気にならなかったのは緊張しながらも楽しく時間を過ごせたそのあとだからだとあとで思う。
電車に乗って荻窪に移動。ひなぎくという喫茶店に入ってホットサンドとアイスコーヒー。〈ある〉と〈ない〉と〈あるもないもない〉の話や質量保存の法則の話。2階にあるその店の窓のからは丁度同じ高さにあるJRの高架の上の線路とそのまわりの敷石が見える。帰りがけに併設された古書屋スペースで本を一冊選んで買う。
家の最寄り駅からの帰り道、今日も近所のデニーズへ寄ったのだけれど、入口で案内してくれたのはこのあいだと同じ店員で、自分がひとりであることを伝えると「一名様、禁煙席でよろしいですか」といって禁煙席へ案内してくれた。心の中で「ナイス」と思いつつ席に着く。
コーヒーを飲みながら今日も一時間ほど書写。今日の作業で丁度ひとつの段落が終わったからか、そろそろ「作業的にただ書き写す」ということからもう少し踏み込んでみてもいいのかもしれないと思ったりしたのだけれど、そもそもその「もう少し踏み込んだ書写」とはなんなのかどういうことなのか自分でもわかっておらず、さらには「このままもう少し作業に徹してみてもいいのではないか」と思う心も同時にあり、そうしたらそれは今決めることでもないように思えきたので、とりあえずコーヒーをもう一杯おかわりすることにして、近場にいた店員を呼び止める。