亜熱帯性海洋気候に密林がひろがる

生えてる木も棲んでる魚も全然違う

朝、起床。朝食を食べ終えて出発しようとしたところで自分の足下が部屋のスリッパのままであることに気がついて笑われる。靴に履き替えて出発。離島桟橋へ行ってみると上原港行きは今日は欠航とのことで、大原港行き8時40分の船で西表に渡る。上原と大原と名前が似ていてわかりづらいと思っていたら、地図の上(北)にあるのが上原と妻が言いそれ以来迷わなくなった。高速船で西表島(大原)に向かうあいだじゅう妻となりではぐわんぐわんと揺れながらひたすら居眠りをしていたのだけれど、そうしたら船を降りるときになって妻の隣に座っていたおばあさんが目が覚めるからと言って我々に持っていたみかんをふたつわけてくれたので有難くいただく。
大原港からバスに乗り上原をまわって浦内川の河口に向かう。もらったみかんを食べながら、道路の右側のきれいな海の緑色と左側の山の濃い緑色を交互に見つつ、ところどころにあるヤマネコ飛び出し注意の看板や遠くに見える由布島に渡る水牛車を見たりしながら移動しているあいだじゅう、やはり妻は寝ていてずっと下を向いている。河口近くの観光所から出ている遊覧船に乗り、川岸の風景を眺めながら浦内川の上流へ。浅く覗き込めば川底がみえるような浦内川の両側にはマングローブことなんとかヒルギという木がみっしり生えていてその向こうに見える山にもやはりてっぺんまでみっしり木々が茂っている。船の手摺から手をぶらんと外に放り出して、そのまま手が届くほど近い水面やその向こうにある川岸のマングローブやその向こうにある山をみていたら、ずっと前にくだったことのある京都の保津川を少しだけ思い出したけれど、生えている植物も川の様子もぜんぜん違うのでやっぱりここは浦内川で西表なんだなと思っていたらいつのまにか上流についていた。
川の上流にある停泊所から遊歩道という名の山道をひたすら歩いて、しばらく歩いたところにあった展望台からマリュドゥの滝を遠くに眺めたあと、さらに歩いてその奥にあったカンピレーの滝というところにたどり着く。だだっ広い岩の上を滝が寝そべるように流れていて、水のながれるかなり近いところまで岩の上を渡っていくことができる。水の近くに腰を下ろしてしばらく景色を眺めていたら、妻がどこかで転んだらしくズボンのうしろを汚して帰ってきた。土を払ってからふたりで岩にあいた謎の穴ぼこを覗き込んだりしていたらいつのまにか結構時間が経っていて、少しというかかなり急ぎ目で来た道をまた戻る。停留所と滝とを結ぶその遊歩道にはところどころに自生する植物や生き物を紹介する看板が立っていて、その看板の中でイリオモテヤマネコの姿が描かれているのを見るたびになぜか妻はその絵に向かって「シャーッ」と威嚇をしていたのだけれど、帰り道にまた同じ看板を見てもやはり妻は同じように反応して、看板のネコへの威嚇を止めない。
再び遊覧船に乗って下流まで戻ったあと、バスで上原港まで行ってみたものの港が閉まっているせいか閑散としていて食堂も開いていなかったりしたので、ちょうどよく通りかかったバスを道ばたで無理矢理止めて乗り込んで、大原港まで行ってから高速船で石垣に戻る。
夕方、石垣の市街地で店に入ってそばを食べたのだけれど、昨日食べたそばに比べて明らかに味が劣っているのがよくわかる。はじめにいいものを知ってしまうと後がしんどい。
夜、ホテルに戻って少し寝て、風呂に入ってから夕食に昨日と違うホテルのバイキングレストランに入ったのだけれど、食べながら昨日の店がおいしかったことを比べることで改めて知る。就寝。