鎌倉に向かう靴はアディダスの黒い

一色海岸 16時27分

午前中、外出。友部正人の歌を聴きながら電車に乗って鎌倉へ向かう。15分くらい遅刻して駅に到着。西口のRONDINOを覗いてみたら友達らしき人の後ろ姿が見えたので、入って挨拶。席に座ってブレンドを注文してから貸していた本とDVDを受け取って、かわりに持ってきた写真と凧と鉛筆削りを渡す。
江の電に乗って長谷まで行って、少しウロウロしてから長谷寺の前まで行ってみたら邪宗門があったところは整地されたむき出しの地面になっていて、店は建物ごとキレイさっぱり無くなっていて、「営業時間 AM8:00からPM4:30まで」という奥の駐車場の看板だけが意外に狭い長方形の土の地面に置いてある。
昼、適当なお店がわからないので、前に行ったことのあるはま善に入っていわしづくし定食を食べる。店の手伝いをしている子供の背が前より少し伸びている気がする。みそ汁に入っているつみれが今日は一番おいしく感じた。たまたま今日、葉山のギャラリーで演奏をするという友達のライブを観に行くことにして、駅に戻る途中の0467でダックワーズの詰め合わせを買ってからまた江の電に乗って鎌倉へ戻り、そこからのJRと逗子からのバスで葉山へ向かう。
午後、降りたバス停の近くの交差点の角に目的地であるhacoを見つけて入ると、ちょうど開演の時間だったようで、一応のステージ側である奥の方で準備をしている友達の顔を見つけ、会釈しつてから椅子に座ると間もなく静かにいつの間にか演奏会がはじまっていた。
身近な楽器やおもちゃを使った合奏は相変わらず楽しげだけれども、全体としてのまとまりやひろがり方が前に聴いた時に比べて格段に増していて、曲の合間のトークの適当加減や鈴の転がり具合も絶妙で、聴いているうちにいつの間にか一時間が過ぎていた。
演奏を終えた友達に改めて挨拶をしてから差し入れを渡し、話を聞きながら下の展示を見ていたら、なんともいえないいい表情のバッチ(ブローチ)を見つけて、そのままそいつを持ち帰ることにする。
挨拶をしてから店を出て海岸方面へ向かうバスに乗り、葉山で降りて一色海岸に出てみると、ちょうど相模湾の向こうの伊豆あたりの山に夕日が沈むところで、コンクリートに腰掛けながら目の前の景色を眺めていたら、近所の人らしきおばあさんが話しかけてきて、晴れた日のここからの眺めの素晴らしさについて教えてくれた。友達は持ってきたノートに何かを描いていた。暗くなりつつある波打ち際で波の様子を凝視しているとだんだん身体が前のめりになってきて怖くなる。
暗くなったので戻ることにして、葉山館の前からバスに乗って逗子、JRに乗って鎌倉へ戻る。ヴィヴモンディモンシュで名前のわからないブラジルご飯を食べながら、誰かの子供の話や住むところの話やいつか先のことについての話。来月までの宿題を決めて店を出る。
せっかくなので江の電に乗って藤沢へ。乗っている人もまばらで真っ暗な海のそばを走っている江の電に乗っていると時計はまだ9時過ぎなのだけれど気分はなんとなく深夜な感じでおかしな気分。藤沢から小田急線に乗り、そのまま新宿まで行く友達と途中で別れて家に帰る。行くところも予定もなにもかも考えないで行った鎌倉だったけれど、思いがけず別の友達にも会うことができたし頭の中のモヤモヤが少しだけクリアになった気にもなったのでよかったし、ありがたいことだと思う。