十三夜

朝、起床してきな粉入りホットケーキとスープの朝食。風呂に入ったり赤ん坊のオムツを替えたりしながら出かける準備をする。車があるおかげであまり荷物を厳選しないまま必要そうなものはとりあえず持っていくことが出来る。赤ん坊が産まれてからはこれがすごく便利に感じる。
昼過ぎに車で外出。高速に乗って二子玉川高島屋まで行って、レストランでスパゲティのカルボナーラの大盛り(その店ではLサイズと呼ばれていた)を食べてから、シャトルバスで別館の園芸店へ行って観葉植物をあれこれ探す。なかなかいいものが見つからないまま店内を三周くらいして「あれでいいかな」と思いはじめていたところで妻が物陰からいいものを見つけ出してきて、迷わずそれにする。隣の無印良品で居間の敷物を買って外に出たらもうすっかり夕方で、西の空の雲が夕焼けですごい色に染まっている。再びシャトルバスに乗って本館に戻り地下の食品街で最中とケーキを買ってから、もろもろ車に詰め込んで出発。実家を目指してもう一度高速に乗る。
夜、実家に到着。父親も母親もこのひと月の間の赤ん坊の成長に驚いて、夕食を食べながらちょいちょい席を立っては、赤ん坊のところに行って話しかけたり触ったりして歓んでいる。食後に買ってきたロールケーキを食べる。父親の皿にだけ「Happy Birthday」と書かれたチョコレートの板がのっている。今月末で62歳になる父親はチョコレートののった栗のケーキを食べながら「来年の63歳というのは祖母(父親の母)が亡くなった年齢であるから、来年はその当時の親(自分の祖母)の年齢に並んでしまう。親を越えるというのは今まで全然考えたことがなかったけれど、いざそうなってみるといろいろ考えることがあるものだ」というような話をする。そうかと思えばまた赤ん坊のところへ行って「あれ〜あんよがでてるよ〜」などと楽しげに言う。