遊園地再生事業団#16 本公演「ニュータウン入口 または私はいかにして心配するのをやめニュータウンを愛し土地の購入をきめたか」作・演出 宮沢章夫

いいなあと思うのは、この本公演の前に見たリーディング公演や準備公演を経て今日の本公演に至るその過程を通してひとつの舞台が出来上がっていく様子を見ることができるということで、さらにWEB上のノートが公演と公演の間の改稿や公演中の日々の判断というか迷いというか、そういう試行錯誤も含めたその時々の判断を見ることができるということで、出来上がった舞台は複雑でとても感想を書きにくいというかどう受け止めるべきかうかつに判断しかねる部分が多く、ただいろいろと考えさせられることも多い、ひとことでいえば難しい舞台だったのだけれど、その積極的にプロセスを開示するというやり方でもって「どうしたら面白い舞台が出来るのだろうか」という「問い」に対する作り手の思考というか、今ここにはまだない答えに対して問うている姿勢そのものを見せてくれているのがとにかく素晴らしいことなんじゃないかと思う。