春を皮で包んで茹でる

昼過ぎ、庭に出てポリバケツに入れた水にオルトランとダコニールとダインを入れてよく混ぜて、噴霧器を使って庭木に噴霧。一年前くらいに根元から切ってもらった家の裏側の木蓮は、ひこばえが一年で猛烈に生長していて自分の背丈よりも高いくらいまで伸びている。これはそのうち剪定しようと思いながら、隣の椿の木に憎しみを込めながら丹念に噴霧。家の正面側に移って椿、ツツジなど毛虫的な好物樹木を中心にひと通り噴霧。もともと庭に根付いていて毎年勝手に咲いているギョリュウバイ、レンギョウヤエヤマブキスイセンハナニラ、シャガなどに加えて、早めの春に妻が植えたチューリップやジュリアンやバーベナアリッサムがどんどん花を咲かせていて、今年は庭が例年になく賑やか。甘い匂いもする。
夜、台所で妻に教えてもらいながら次々に餡を皮に包んでいく。それを妻が茹でていく。夕食に水餃子鍋。塩ポン酢かラー油醤油で餃子と野菜を腹いっぱい食べる。今日は写真をとりに行く予定だったのに、すっかり忘れて早寝する。

休養アンド消費アンド休養

朝、朝食を済ませてからひとりで外出。川沿いの桜並木の下を30分くらい歩いて隣の駅と隣の隣の駅のあいだくらいにある公園へ向かう。9時半くらいには公園に着いたのだけれど、公園の敷地の端っこにある屋内プールの建物まで行くと入り口のところに「10時開場」と書いてあって入れないので、公園のベンチに座りながらランニングしている中学生や向こうのベンチで同じように座っている年寄りを眺めているうちにいつの間にか寝てしまう。気がついたら10時になっていたのでかばんも財布も手元にあることを確かめながら立ち上がってプールに向かう。
プールに入って100メートルだけ平泳ぎをしたあとは、このあいだと同じように手のひらを使って腕にも負荷をかけながら、流れるプールを流れに逆ってひたすら歩く。自分以外に逆周りで歩く人はひとりもおらず、向こうから流れてくる子供や老人を避けつつ時々つるっと滑ったりしながら、10周歩いたところで11時を過ぎたくらいになっていたのでいったんあがってビーチチェアで一休みする。
基本的にめがねを外しているので人の姿はぼんやりとしか見えないし、見えたとしてもプールにいるのは年寄りか子供ばかりでおもしろくもないので、目をつむって体の力を抜いていたらいつの間にかまた寝てしまう。
気がついたら12時になっていたのでプールサイドで一時間も寝てしまっていたことに驚きながら、次の約束を思い出して、さっさとあがる。
公園から隣の駅前にある歯医者まで歩いて、12時半から奥歯の治療。終わって本屋で立ち読みをしてから、再び歩いて1時半ごろ帰宅、三人で昼食。

摂取アンド消費アンド摂取

朝、友達と近所に花見に出かけていく妻を見送ってから赤ん坊と二人で留守番。抱きかかえたりあやしたり無視したりしているうちにぐっすり寝てしまったので隣のこたつで自分も居眠り。
昼前、妻が友達と一緒に帰宅したので目が覚めて、挨拶もそこそこに入れ替わりで外出。車で歯医者に治療に出掛ける。
昼過ぎ、歯医者からそのまま市民プールへ移動。遊びに来ている子供や親子連れに混じって流れるプールを逆方向に歩く。手のひらを流れに逆立てて歩いて腕にも負荷をかけつつひたすら歩く。四、五十分歩き続けたところでプール全体の休憩時間になったので、水からあがってビーチチェアで休んでいるといつのまにか寝てしまって気がつくと皆プールに入っているので驚いた。思い立って真ん中の25メートルプールにはい100メートルだけ泳いで、それであがる。
夕方、いい具合におなかが空いてきて、なんだかうどんが食べたい気分になってきたので隣の駅まで車で行って、はなまるうどんでぶっかけ中に温泉玉子天とちくわ天の二つのせを食べる。地元の中学生らしき集団の一人が無料の揚げ玉を山盛りうどんにかけていたのだけれど、大量の揚げ玉がうどんの汁の水分を全部吸いきって、きつね色のやわらかい粘土の中に白いうどんが混ぜ込まれたような変な食べ物になっていて、とてもまずそう。
帰り道、WBCで盛り上がった野球熱と最近ゲームをしなくなったという妻の台詞が重なって、ひさしぶりにPS2の野球ゲームを途中の電器屋で買ってから帰宅。
夜、夕食にカレーライスとサラダとキャベツ。食事の前に1/6個くらいの生キャベツを食べてから食事をすることで全体の食事量をストレスなく減らす、というダイエットを妻が誰かに聞いてきて、それは自分も職場の人が言っていたのを思い出したので、家に馬鹿でかいキャベツもあることだしやってみようということで、山盛りの千切りキャベツを作って食べ始めたのだけれど、そもそもカレー皿に盛られたご飯が多めであるので、よく考えてみればいつもの食事にさらに山盛りキャベツがプラスされた状態になっていて、結局両方食べきるのにひと苦労して夕食を終える。夜は昼間の運動のおかげか、早めの時間に就寝、熟睡。

全員野球

昼前から始まったWBCの決勝戦を仕事場のテレビで観る。試合が終盤に向かうにつれて打ち合わせスペースに置かれた小さいテレビの前に人がだんだん集まってきて、最終的には自分も含めた中年男性による二重三重の人垣が出来上がる。日本代表チームがピンチやチャンスを迎えるたびにドスの効いた歓声があがり、凡退続きの選手に対しては「ほんと仕事しねぇ男だなあ」と野次が出る。10回裏、四球の後の三振、センターフライ、三振で試合終了。テレビの前で拍手が起こり、皆いい気分になって席に戻っていく。

昼過ぎの並木通り

昼過ぎに仕事場の人と食事に出たところで妻から頼まれていたおつかいを思い出して、ウマウマ麻婆豆腐の昼食を済ませたあとに空也を探して通りを歩く。空也のことを知らなかった仕事場の人も「今週分は売り切れました」の張り紙には驚いていて「そんなにおいしいのか」と聞かれたので「ずいぶん前に一度だけ食べた記憶ではおいしかった。事前情報なしに食べてもなんかおいしいと思えるような菓子でした」ということを答える。無事に買えたもなかは明日から行く実家の両親とそこに集まる親戚らへのみやげ物なので包みを開けて「ひとつ食べてみますか」とも言えないのが申し訳ない。

チェックアンドリリース

帰宅したあと妻が携帯電話を無言でこちらに差し出してくるので、受け取って開けて「データフォルダ」というところを見てみると、新たに撮影された赤ん坊の写真が何点か追加されているのでそれをひととおり見てから、特に気に入った写真を自分宛にメイルで送ったりしているうちに過去の写真や動画もついでに見はじめて、いつの間にか一緒に画面を覗き込んできている妻とふたりで前に何度も見た粗い粗い動画の同じところで同じように笑ったあたりで満足して、手渡された携帯電話を妻に返す。というのが週に二、三回くらいのペースである。

がっつり散歩

朝、起床して朝食にサンドイッチとヨーグルトとコーヒー。ベランダに座布団とコタツの敷布団を干してから昼前に三人で外出。仙台に住む兄から先日届いたお祝いのベビーカーに赤ん坊を乗せて、近所の川沿いの道をベビーカーを押しながら一時間くらい歩いて市内の大きな公園まで行く。
お昼を回って小腹が空いたので、公園内の温水プール施設の一画にある喫茶スペースにある駄菓子屋コーナーでお菓子を三つ買い、公園のベンチで持ってきたコーヒーと一緒に食べる。赤ん坊はベビーカーに座ってお菓子を食べる両親を眺めているだけ。しばらくベンチで休んでから出発して、来た道と少し違うルートで家まで帰る。
帰宅後、餅を焼いて砂糖醤油につけて海苔で巻いたのと醤油で握ったおにぎりに味噌をぬって焼いたのを食べてから庭に出て、春に備えて家の庭木に農薬を噴霧する。昼間に長く歩いたからか、夕方になってから猛烈に眠くなってきたので、居間のコタツで居眠りをはじめたところでコタツの向こう側から妻が赤ん坊のおもちゃを投げてくる。この頃自分のイビキが相当にうるさいらしく、そのおもちゃ攻撃も自分がおこす騒音に対する抗議のあらわれなのだけれど、自分ではどうすることも出来なくて、ただ投げられたおもちゃを眺めながらまた夢の世界に戻っていく。